【2月17日 AFP】スペイン科学研究高等会議(CSIC)は16日、AIDS(エイズ、後天性免疫不全症候群)の原因となるHIV(ヒト免疫不全ウイルス)を感染から1週間以内に検出できる検査法の特許を取得したと発表した。HIVが検出可能になるまでの期間は、これまでで最短だという。

 声明によると、CSICの研究チームが開発した「バイオセンサー」は、人の血液中にあるHIVの表面に付着しているタンパク質「p24抗原」を検出する。

 CSICは、この技術は「感染後1週間以内」に「現在の技術で検出できる濃度の10万分の1という低濃度のp24抗原を検出する」としている。さらに「結果が出るまでの時間は4時間45分で済み、検査当日に結果が得られる可能性もある」という。

 CSICのセンサーを用いた検査の結果は、米オンライン科学誌プロスワン(PLOS ONE)に今週発表された論文に掲載されている。

 このセンサーは微小機械シリコン構造体と金ナノ粒子を組み合わせた米粒大のチップだ。

 CSICの研究者ハビエル・タマジョ(Javier Tamayo)氏は、センサーの材料は既存の技術を用いて製造されるため低コストの大量生産が可能だと声明で指摘し、「このことが、その単純さと相まって(大規模なエイズ禍に見舞われている)発展途上国での大きな選択肢の一つとなる可能性を示していると考えられる」と述べた。

 現行の抗原検査では感染から約3週間経過した後でなければHIVを検出できない。血液中のHIV抗体を検出する検査は必要な待機期間がさらに長い。RNA検査は感染から約10日後に血中のHIVを直接検出できるが高額な費用がかかる。

 感染者が自覚のないまま性交渉を通じて他の人々をHIVに感染させるのを防ぐには、早期の検出が不可欠になる。(c)AFP