韓国政府、金正男氏の暗殺を確認 大統領代行「北の残忍性示す」
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【2月15日 AFP】(更新・写真追加)韓国政府は15日、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男(キム・ジョンナム、Kim Jong-Nam)氏がマレーシア・クアラルンプール(Kuala Lumpur)の空港で暗殺されたとの報道は事実だと確認した。
韓国統一省の報道官は「わが政府は殺害された男性は金正男だと確信している」と述べた。
これに先立つ同日朝、韓国の黄教安(ファン・ギョアン、Hwang Kyo-Ahn)大統領代行(首相)は緊急に開いた国家安全保障会議(NSC)の会合で、金正男氏の暗殺が事実だとすれば「北朝鮮の政権の残忍性、非人道性を示す一例だ」と述べていた。
黄氏は「われわれはこの事件を極めて深刻に受け止めており、北の情勢を注意深く監視している」とし、引き続き北朝鮮の挑発行為を警戒するようNSCに命じた。
正男氏の殺害には2人の工作員の女が関わったとされ、マレーシアや韓国からの報道によると、2人は毒針または化学物質のスプレーを使ったとみられる。
マレーシア紙スター(The Star)がスランゴール(Selangor)州の捜査当局トップの話として伝えたところによると、「彼(正男氏)は出発ターミナルのサービスカウンターの係員に、何者かが背後から顔をつかみ、何らかの液体をかけたと話した」「彼は助けを求め、空港の診療所に送られた。その際、既に頭痛を訴え、意識を失いそうになっていた」という。
韓国メディアは先に、2人の工作員の女が殺害に毒針を使用し、タクシーで逃走したと報じていた。
マレーシアの警察当局は15日、同日中に金正男氏とされる遺体の司法解剖を行うことを明らかにした。(c)AFP