ロシア、巡航ミサイルを新配備か 米「軍縮条約に違反」と警告
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【2月15日 AFP】米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)は14日、ロシアが新たに地上発射型巡航ミサイルを実戦配備したと報じた。1987年に米国とソ連が軍縮に向けて調印した中距離核戦力(INF)全廃条約に違反する可能性があり、米国はロシアに対して同条約を順守するよう警告した。
ニューヨーク・タイムズによると、ロシアはこのミサイルを運用する複数の部隊を秘密裏に配備。部隊の一つは南部アストラハン(Astrakhan)地方カプスチンヤル(Kapustin Yar)のミサイル実験施設に置かれているという。
INF全廃条約は当時のロナルド・レーガン(Ronald Reagan)米大統領とソ連のミハイル・ゴルバチョフ(Mikhail Gorbachev)大統領が調印したもので、射程500~5500キロの弾道ミサイルを禁止している。
米国務省は報道内容を直接には確認していないものの、ロシアは既に何らかの形で同条約に違反しているとして懸念を表明した。
同省のマーク・トナー(Mark Toner)報道官代行は「われわれはロシアによる(条約)違反について、欧州とアジアの安全保障にリスクをもたらすとはっきり懸念を表明してきたし、ロシアに条約を再び順守させることへの強い意欲もはっきり示してきた」と述べた。
バラク・オバマ(Barack Obama)前米政権も、INF全廃条約で禁止されている巡航ミサイルの実験を行っているとしてロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)政権を批判していたが、プーチン政権は米国も同条約に違反しているとして実験を擁護してきた。(c)AFP