五輪メダル返還に応じたドーピング違反者はわずか1人、ロ陸連
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【2月14日 AFP】ロシア陸上競技連盟(ARAF)は13日、ドーピング違反が発覚した同国の陸上選手で国際オリンピック委員会(IOC)に五輪メダルを返還したのは、これまでに1人しかいないと公表した。
ARAFで反ドーピングの調整官を務めるエレーナ・イコンニコワ(Yelena Ikonnikova)氏は、AFPの取材に対し、これまで五輪で獲得したメダルの返還に応じたのは、北京五輪の陸上男子4×400メートルリレーで銅メダルを手にしたアントン・ココリン(Anton Kokorin)だけであると明かした。
IOCはドーピング違反で失格になった選手に対してメダルを返還するように求めており、イコンニコワ氏はARAFが失格となった選手のリストを受け取って内容を伝達したとして、「われわれはリストを配布しました。IOCは選手全員と各地域の(陸上)協会に対して、五輪メダルの返還を要求しています」とコメント。さらに、ARAFがロシア・オリンピック委員会(ROC)をはじめ、IOCと選手の仲介役を務めていると付け加えた。
前週には、ROCのアレクサンドル・ジューコフ(Alexander Zhukov)会長が、ロシア国営タス通信(TASS)に対して、「メダルを返還するための作業を行っている」と述べたが、「返還に合意したのは一部の選手だけだ。これについては引き続き作業を続けていく。われわれは各スポーツ連盟を通じて、選手と連絡を取っている」と明かしていた。
一方、ROCの法務部で責任者を務めるアレクサンドラ・ブリリアントワ(Aleksandra Brilliantova)氏は、同委員会には母国の選手に対して、五輪メダルの返還を求める強制力は保持していないと主張。タス通信の記事で「ROCにはメダルを返すのに必要な手順が何も確立されていません。これが深刻な問題となっています」とコメントしたと伝えられた。
ロシアはこれまでに、2008年の北京五輪で計13人、2012年のロンドン五輪で計8人のメダリストが禁止薬物に陽性反応を示し、IOCにメダル返還を命じられたと報じられている。しかし、違反者の一部はすでに現役を引退しており、命令を拒否して獲得したメダルを手元に残す道を模索するなど、IOCとROCの間にさらなる亀裂をもたらしている。(c)AFP