【2月14日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領が先週末、訪米中だった安倍晋三(Shinzo Abe)首相を迎え開いた夕食会の席で、北朝鮮のミサイル実験情報を受け取った両首脳が公衆の面前で側近らと身を寄せ合って対応を協議する様子を捉えた写真がソーシャルメディア上に投稿され、トランプ政権の機密情報の取り扱いに関する疑念が浮上している。

 通常なら非公開の場所で高度機密としてなされるこの会話は11日、トランプ氏がフロリダ(Florida)州パームビーチ(Palm Beach)に所有するリゾート施設「マーアーラゴ・クラブ(Mar-a-Lago Club)」の会員によって至近距離で撮影された。

 フェイスブック(Facebook)ユーザーのリチャード・ディアガジオ(Richard DeAgazio)さんは、トランプ大統領が側近らや安倍首相と身を寄せ合って協議したり、電話を受けたりする様子を写した複数の写真を投稿。うち1枚には、「(安倍)首相の隣に座り、北朝鮮から日本に向けてのミサイル(発射)に関する情報を受け取る大統領」という説明が添えられていた。

 さらにディアガジオ氏は、「日本の安倍首相が関係者らと身を寄せ合って協議し、大統領はワシントンと電話連絡。その後、両首脳は言葉を交わし、急きょ設けられた記者会見のため、別室に入って行った。ワオ…大舞台の中心だ!」と書いていた。これらの投稿は現在は削除されている。

 大統領がホワイトハウス(White House)を離れる際、このような危機的状況をめぐる会話の多くは機密隔離情報施設(SCIF)の中で行われることになっている。SCIFでは通常、許可を受けていない個人の立ち入りや安全性の低い携帯電話といった一般電子機器の使用も禁止される。

 下院民主党トップのナンシー・ペロシ(Nancy Pelosi)院内総務は、「国際社会の危機をカントリークラブ会員らの面前で、まるでディナーショーのように見せるとは、言い訳のしようもない」と指摘している。(c)AFP