【2月13日 AFP】レアル・マドリード(Real Madrid)とナポリ(SSC Napoli)が対戦する15日の欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2016-17)決勝トーナメント1回戦第1戦では、総勢1万人もの熱烈なナポリサポーターが、スペイン・マドリード(Madrid)に集結するとみられている。なかにはレアルの公式サポーターになってまで、限られた枚数のチケットを手に入れようとするファンもいるようだ。

 昨季のイタリア・セリエAで2位のナポリは、今季のリーグ戦で王者ユベントス(Juventus)に勝ち点9差をつけられているものの、第24節終了時点でリーグ最多の計57得点を記録するなど、間違いなくセリエAで最も魅力的なサッカーを展開している。ナポリにとってチャンピオンズリーグのベスト16入りは、2011-12シーズン以来5季ぶりとなり、前回は延長でチェルシー(Chelsea)に屈した。

 伊ナポリ(Naples)市のルイジ・デ・マジストリス(Luigi De Magistris)市長は、ユーチューブ(YouTube)にメッセージを投稿し、熱狂的なことで知られるナポリサポーターをあおっている。「私はマドリード市長のこともよく存じているが、水曜(15日)は連中に一泡吹かせねばならない。スペインは素晴らしい国だが、ナポリの方が上だ。われわれは勝ちに行く必要がある」

 ナポリはユベントスと同様、イタリア国内で全国区のクラブだといわれている。第二次大戦後、南部の人たちが大量に移住を決断し、工業化の進んだ地域を目指したためだ。そして今、ファンは大挙してスペインの首都を目指しているが、試合会場のサンチャゴ・ベルナベウ(Santiago Bernabeu Stadium)で、ナポリ側に割り当てられたチケットの枚数はわずか3917枚。1万人といううわさが本当であれば、約6千人が見切り発車ということになる。

 報道によれば、彼らは飛行機をチャーターし、トルコのイスタンブール(Istanbul)、スイスのチューリヒ(Zurich)、ベルギーのブリュッセル(Brussels)を経由する乗り継ぎ便を使い、あるいはマイクロバスを借りてマドリードへ向かうという。彼らの多くはチケットを持っていない。

 とあるサイトによれば、「レアルサポーターの友人やレアルの年間チケット保有者の助けを借りて、チケットを確保した人もいる。一財を投じてVIP席を購入した人もいる」と伝えている。しかし、もっと多いのはレアルの公式サポーター(マドリディスタ)になろうとする人たちだ。どうしてもチケットを手に入れたい彼らは、ネット決済で30ユーロ(約3600円)を支払い、レアルファンになった。

 ファンのなかには、13日のうちにチヴィタヴェッキア(Civitavecchia)からフェリーでバルセロナ(Barcelona)へ向かい、そこから列車でマドリードを目指している家族もいる。とある7人組のサポーターはマイクロバスを使い、往復40時間、のべ4400キロメートル以上の旅に乗り出すという。

 しかしながら、数字を見る限り、彼らに待っているのは失望かもしれない。欧州王者11回の実績を誇るレアルは、チャンピオンズリーグでこのところ10戦負けなしを続けている。

 レアルとナポリは、この大会で過去に一度しか顔を合わせたことがなく、当時まだヨーロピアンカップ(European Cup)と呼ばれていた1987年の対戦では、ベルナベウでレアルが2-0で勝利。ナポリのホームゲームは1-1の引き分けに終わり、レアルが勝ち上がっている。(c)AFP/Justin DAVIS