【2月12日 AFP】ニュージーランド南島(South Island)の北西端、ゴールデン湾(Golden Bay)のフェアウェル岬(Farewell Spit)に11日午後打ち上げられた200頭以上のクジラのほとんどが自力で海に戻ることができた。ニュージーランド環境保全局(DOC)が12日、明らかにした。

 DOCの広報担当ハーブ・クリストファーズ(Herb Christophers)氏は「11日午後にプポンガ(Puponga)とパカワウ(Pakawau)の間に打ち上げられたクジラ240頭余りのほとんどが昨夜の満潮時に自力で海に戻り、浅瀬を泳ぎ回っている」と述べた。

 11日に打ち上げられたクジラの群れのうち、17頭前後がいまだ浜辺に取り残されている。その近くにはこの3日間に打ち上げられた数百頭のクジラの死骸が転がっている。クリストファーズ氏は「次の満潮時に(残っているクジラを)海に戻すための準備がきょう午前中の重点課題になるだろう」と述べた。

 クジラたちはフェアウェル岬沖から離れていないため、再び浜辺に打ち上げられる恐れがある。救助活動に加わっている環境保護団体「プロジェクト・ジョナ(Project Jonah)」は、ゴールデン湾上空に観測機を飛ばし、クジラの動向を見守っている。

 11日に打ち上げられたクジラは9日に打ち上げられた400頭とは別の群れ。フェアウェル岬の26キロにわたって浅く弧を描く地形がクジラの音波探知能力を狂わせ、定期的にクジラの大量打ち上げを引き起こしていると考えられている。(c)AFP