米俳優主導の反トランプ運動中止に、「暴力の引火点」と米博物館
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【2月12日 AFP】米俳優シャイア・ラブーフ(Shia LaBeouf)さん主導の「He Will Not Divide Us(彼に私たちを分断することはできない)」というスローガンを叫ぶ人々の映像をライブ配信してドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領に抗議するプロジェクトに場を提供していた米ニューヨーク(New York)の映像博物館(Museum of the Moving Image)は10日、「暴力点火の場」になっているとしてプロジェクトの中止を発表した。
ラブーフさんが2人のアーティストと共に一般参加型インスタレーションの抗議運動「He Will Not Divide Us」を立ち上げたのは、大統領就任式が行われた1月20日。訪れた人に博物館の外壁に設置されたマイク付きカメラに向かって「He Will Not Divide Us」と繰り返してもらい、その様子を24時間ネットで動画配信するというもので、トランプ大統領の任期中の4年間、毎日配信し続ける計画だった。
しかし映像博物館は10日に発表した声明で、運動は同博物館や職員、来館者、クイーンズ(Queens)地区の近隣住民および企業にとって「公衆安全の深刻な脅威」となっているとし、前向きな運動としてスタートしたインスタレーションだったが「暴力の引火点となっており、当初の意図から外れてしまった」と中止の理由を説明した。映像博物館によれば、インスタレーションが始まって以来、暴力の危険が高まり逮捕者も出るなどして、警察が24時間態勢で警戒する事態に追い込まれたという。
ラブーフさんは先月末、映像博物館前での運動中に25歳の男性のマフラーをつかんで転倒させた容疑で逮捕されたが、後に釈放されている。(c)AFP