【2月10日 AFP】(更新)米カリフォルニア(California)州サンフランシスコ(San Francisco)の連邦控訴裁判所(高裁)は9日、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領によるイスラム圏7か国出身者らの入国を禁止する大統領令について、差し止めを命じた連邦地裁の判断を支持した。トランプ政権側の不服申し立てが退けられ、一時停止措置が継続される。トランプ大統領や物議を醸しているその治安強化策にとって大きな敗北となった形だ。

 トランプ氏はツイッター(Twitter)に「法廷で会おう。わが国の安全保障がかかっている!」と直ちに投稿し、上訴する意向を示した。

 トランプ政権側は、この大統領令はイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」や国際テロ組織「アルカイダ(Al-Qaeda)」の戦闘員らが米国に入国するのを阻止するために必要だと主張。

 しかし、米国への渡航をめぐって世界各地で大混乱を引き起こしており、移民の権利の擁護団体などからも猛反発を浴びている。反対派からは、イスラム教徒を標的としたものであり、米国憲法に違反すると批判されている。

 今回の判断を示したサンフランシスコの第9巡回連邦控訴裁判所は政府側について「大統領令の対象となった国々の出身者が米国でテロ攻撃を実行したことを示す証拠を提示していない」と指摘。政府側は上訴の正当性を示さず、大統領令の効力を復活させなければ「取り返しのつかない損害」がもたらされることも示さなかったとした。(c)AFP