移民22人、極寒のなか米国から歩いてカナダへ 入国禁止令を懸念
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【2月8日 AFP】ソマリアなどから米国に一度入国していた移民22人が、凍えるような寒さのなかを歩いてカナダに渡り、難民申請をしたことが分かった。カナダの警察当局が7日発表した。米国のドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領が移民や難民の入国規制を打ち出すなか、カナダの一部州では米国から渡って来る移民や難民が急増している。
移民の大半はソマリアからで、4日に19人、5日に3人がカナダに入った。吹雪とマイナス20度という寒さに耐えながら、5時間歩き通したという。
これらの移民は母国での暴力から逃れて米国に渡る際にも、長く危険な旅を経験した。しかしカナダメディアに語ったところによると、トランプ大統領がソマリアを含むイスラム圏7か国の人の入国禁止や、難民の受け入れ停止を決めたことに不安を覚えた。
半面、カナダに関してはジャスティン・トルドー(Justin Trudeau)首相がシリア難民を歓迎すると昨年表明していたことに加え、先月にソマリア出身のアフメド・フッセン(Ahmed Hussen)が移民・難民・市民権相に任命されたことに希望を見いだしたという。
移民らはカナダに入国後、連邦警察に助けを求め、その後マニトバ(Manitoba)州エマーソン(Emerson)の国境管理事務所に移送された。
カナダ騎馬警察(RCMP)の関係者はAFPの取材に、こうした移民や難民は「通常、寒いときや道に迷ったときに通報してきて、幹線道路の脇で発見される」と説明。「12月には凍傷になって指を失う人も1人か2人はいる」と続けた。
同関係者によると、米国からの移民や難民は通常4~5人のグループで入国するという。マニトバ州では最近こうした移民や難民が急激に増えているが、公式な数は明らかになっていない。(c)AFP