足止めの移民ら、米入国急ぐ トランプ氏は連日の司法非難
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【2月6日 AFP】イスラム圏7か国からの入国を禁止したドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領による大統領令の一時差し止めを命じた連邦地裁の判断をめぐり、連邦控訴裁が司法省による取り消しの上訴を退けたことで、対象国の出身者らは新たな司法判断が示される前に入国を果たそうと急いで米国に向かった。一方、トランプ氏は5日、「米国人を危険にさらす」などと連邦裁の判断を前日に続いて非難した。
「最高の気分だ」。スーダン人医師のカマル・ファドラッラー(Kamal Fadlalla)さん(33)は、米ニューヨーク(New York)のケネディ国際空港(John F. Kennedy International Airport)で喜びを爆発させた。大統領令によって母国スーダンに1週間留め置かれる羽目になり「とてもきつかった」と振り返った。
法学を修めたシリア人大卒者の男性(25)は5日、隣国レバノンの首都ベイルート(Beirut)まで車を飛ばし、ヨルダンの首都アンマン(Amman)行きの飛行機に飛び乗った。そして乗り継ぎ便によって無事ニューヨークに到着した。「飛び起きてから、ずっと眠れなかった。興奮に震えている」とAFPに語った。
控訴裁が一時差し止めを命じ、司法省による取り消しの訴えが却下された大統領令では、イラン、イラク、リビア、ソマリア、スーダン、シリア、イエメンの出身者の入国が90日間停止された。
国務省はこれら7か国出身者のビザ(査証)保有者について、書類が「物理的に取り消された」のでない限り渡米できるとの見解を示している。国務省は先に、この大統領令によってビザが無効となる人は最多6万人に上ると明らかにしていた。
一方、トランプ氏は同日、ツイッター(Twitter)に「判事がわが国をこんな危険にさらすなんて信じられない。何か起きたら判事と裁判制度のせいだ。人々がなだれ込んでくる。ひどいことだ!」「国土安全保障省に対してわが国に来る者を入念に審査するよう指示した。法廷はこの仕事を非常に難しくしている!」と反発した。(c)AFP/Andrew BEATTY