ルーマニア、汚職免罪命令を撤回へ
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【2月5日 AFP】ルーマニアで汚職を免罪する緊急命令を出した政府への抗議デモが拡大したことを受け、ソリン・グリンデアヌ(Sorin Grindeanu)首相は4日、命令を撤回する方針を表明した。同首相はテレビ演説で、5日に閣議を開いて正式に撤回すると述べた。
今回のデモは5日間で全国で合わせて33万人が参加したと推計されており、1989年にニコラエ・チャウシェスク(Nicolae Ceausescu)大統領の独裁政権を崩壊させ、同大統領を死刑執行に追い込んだデモ以来、最大となった。だが、グリンデアヌ首相が撤回を表明したものの、デモの参加者らは政府に引き続き圧力をかけるとしている。
緊急命令は先月31日に出され、今月10日に発効する予定だった。汚職に絡む金額が20万レイ(約535万円)を超えなければ、禁錮刑に処せられる刑事責任を問わないとする内容だった。
左派与党・社会民主党(PSD)のグリンデアヌ首相は、刑法を憲法に沿った内容とするとともに、刑務所の混雑を緩和する措置だと説明。ただ、ここ数年汚職取り締まりの対象となった数千人の当局者や政治家にPSD党員が多数含まれていたことから、救済が実際の目的だとする批判の声が上がっていた。(c)AFP/Anca Teodorescu and Simon Sturdee