米連邦地裁、入国禁止を全米で一時差し止め 政権は対抗へ
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【2月4日 AFP】米ワシントン(Washington)州シアトル(Seattle)の連邦地裁は3日、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領が出したイスラム圏7か国出身者などの入国を一時禁止する命令の暫定的な差し止めを命じた。
ワシントン州のボブ・ファーガソン(Bob Ferguson)司法長官は、入国禁止令はイスラム教徒を狙い撃ちにしており移民とその家族の憲法上の権利を侵害しているとして、入国禁止令の主要条項を無効にするため提訴していた。
シアトル連邦地裁のジェームズ・ロバート(James Robart)判事が出した暫定的な差し止め命令は全米で有効となる。
ファーガソン長官は、今回の差し止め命令は歴史的なものだと指摘し「今日、憲法が勝利を収めた」「法を超越する人間などいない――たとえ大統領であっても」と述べた。
ファーガソン長官によると今回の差し止め命令は有効なビザを所持している限り誰であろうと米税関国境警備局(CBP)は入国を認めなければならないと解釈できるという。
入国禁止令に対抗する裁判所の判断は他にも出ていたが、大統領令の骨子を実質的に無効にする今回の差し止め命令はこれまでで最も包括的なものといえる。
ホワイトハウス(White House)は3日、差し止め命令に対抗する姿勢を示した。ショーン・スパイサー(Sean Spicer)大統領報道官は、入国禁止措置は「合法かつ適切」であり、「大統領令は祖国を守るためのもので、彼(トランプ氏)には憲法上、米国民を守る権限と義務がある」と述べた。
スパイサー報道官は、最初の声明ではこの差し止め命令について「非道な、異常な、言語道断な」といった意味の「アウトレイジャス(outrageous)」という単語を使っていたが、この単語は更新版では削除された。(c)AFP