【2月4日 AFP】国連(UN)は3日、ミャンマー軍によるイスラム系少数民族ロヒンギャ(Rohingya)に対する迫害で数百人が死亡した恐れがあると明らかにした。子どもの虐殺や女性の集団性的暴行などの証言もあり「民族浄化」ともいえる状況になっている恐れがあるという。

 国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)の報告書によると、ミャンマー兵は西部ラカイン(Rakhine)州でヘリコプターから民間人に発砲したり、家々を戸別訪問してロヒンギャ人を脅し、家に放火したりした。

 国連は、ミャンマーで「人道に対する罪」が行われている可能性が「極めて高い」としてミャンマーを繰り返し批判しており、今回の報告書でも同様の非難がなされている。

 4か月にわたるミャンマー政府による迫害で7万人近いロヒンギャ難民がバングラデシュに逃れている。OHCHRの調査員はバングラデシュに逃れたロヒンギャ難民204人に聞き取り調査を行った。

 ミャンマー政府や独立した専門家グループが外国の支援を受けた武装勢力によるものとしている昨年10月9日の国境検問所襲撃以来、ロヒンギャ人に対する暴力が急増している。ミャンマー軍はこの翌日、「地域一掃作戦」を開始。OHCHRの報告書はこの作戦で数百人の死者が出た恐れがあるとしている。

 ミャンマー政府のザウ・ハティ(Zaw Htay)報道官は、報告書の内容は「極めて深刻」だと述べ、ミン・スエ(Myint Swe)副大統領率いるロヒンギャ問題対策チームが調査に当たると述べた。(c)AFP/Ben Simon