【2月4日 AFP】米軍が先月イエメンで行った軍事作戦への批判が高まる中、作戦の意義を強調するため米国防総省が3日公開した映像が過去にインターネットで拡散していたものだったことが分かり、映像はすぐに取り下げられた。

 米軍の特殊部隊がコンピューターから入手した映像には覆面をした過激派の戦闘員がホワイトボードの前で爆発物の作り方などについて講義を行う様子が捉えられていた。だがこの映像は10年ほど前のもので、以前にネットで拡散していたことが分かった。

 米中央軍(US Central Command )のジョン・トーマス(John Thomas)大佐は古い動画ファイルだとは知らなかったと釈明。古い情報を出したとの批判を避けるためこの映像の公開を停止したと述べるとともに、特殊部隊は新しい有益なファイルも数多く入手したが機密扱いになっていると強調した。

 ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領が初めて承認し、米特殊部隊が1月29日にイエメンで実施した作戦をめぐりホワイトハウス(White House)と国防総省は数多くの問題を指摘され批判の矢面に立っている。

 アルカイダ系武装組織「アラビア半島のアルカイダ(AQAP)」の拠点を標的としたこの作戦では、激しい銃撃戦で米海軍特殊部隊(ネイビーシールズ、Navy SEALs)の隊員1人が死亡し、女性を含む米兵3人が負傷した。

 さらに機体価格7500万ドル(約85億円)の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイ(Osprey)が「ハードランディング(硬着陸)」し、乗っていた米兵3人が負傷した。機体は敵に奪われないようその場で破壊されたという。

 イエメン当局は、この作戦で民間人の女性8人と子ども8人が死亡したと発表している。(c)AFP