【2月3日 AFP】南米アルゼンチンのリゾート地にあるビーチで、トップレス姿の女性3人を立ち退かせるため、約20人の警察官が現場に駆け付けるという騒ぎが、全国規模の抗議運動に発展する様相をみせている。

 首都ブエノスアイレス(Buenos Aires)の南方500キロに位置する夏真っ盛りのリゾート地、ネコチェア(Necochea)のビーチで先週末、女性3人がトップレス姿で日光浴をしていたところ、短パンに蛍光色のベストを着用した地元の警察官が現れ、公序良俗に違反していると告げた。

 だが女性らは何も悪いことはしていないと反論。口論がエスカレートしたことから、さらに応援の警察官が駆け付け、やじ馬たちも大勢集まった。一部のやじ馬らは女性たちにやじを飛ばした一方、女性たちを支持する声もあったという。女性らは最終的にビーチを立ち去ったが、そのうちの1人は「ファシスト・ビーチ」と吐き捨てた。

 女性に対する暴力がまん延する同国のインターネット上で、この騒動を捉えた動画が拡散すると、女性の権利活動家の間で怒りの声が上がった。活動家らは、女性3人への支持を示すため、ブエノスアイレスで7日にトップレス姿で行進することを呼び掛けた。

 一方、地元の裁判所の判事は2日、ビーチにいた男性が女性3人に対して起こした訴えを棄却。この判事は「女性が胸をさらけ出しても、他人に害を加える行為とはみなされないゆえ、裁判所の管轄外となる」と述べた一方、警察に対してはさらなる「慎重さ」を求めた。(c)AFP