米CIA副長官にベテラン女性工作員、拷問施設に関与の報道も
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【2月3日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は2日、米中央情報局(CIA)の副長官に、CIAの秘密工作に長年携わり、過酷な尋問手法をめぐって批判を浴びた海外の秘密収容施設、通称「ブラックサイト」にも関与したとされるジーナ・ハスペル(Gina Haspel)氏を指名した。民主党内からは懸念の声が出ている。
ハスペル氏は1985年にCIAに入局し、海外勤務の経験が豊富。2013年には女性として初めて秘密工作部門のトップに就任したが、わずか数週間で退任した。メディア報道によると、同氏が水責めなど一般的に拷問とみなされる方法を使用したテロ容疑者の尋問に深く関わっていたためだとされる。
米紙ワシントン・ポスト(Washington Post)は当時、ハスペル氏が「タイの秘密収容施設を運営しており、そこでは収容者2人に水責めなどの過酷な取り調べを行っていた」と報じている。同紙によれば、収容者の弁護士が裁判の証拠として提出を求めた「強化尋問」を撮影した動画を2005年にCIAが破棄した際にも、ハスペル氏が関与していたという。
先にトランプ大統領は、水責めなどの拷問について効果があると発言しており、テロ容疑者らを対象とした秘密逮捕や、法的手続きを伴わない他国への移送、拷問など現在では違法とされている手法がトランプ政権の下で復活するのではとの懸念が浮上している。(c)AFP/Paul HANDLEY