【2月3日 AFP】サッカー元イングランド代表で、プレミアリーグのチェルシー(Chelsea)で活躍したMFフランク・ランパード(Frank Lampard)が2日、現役引退を表明した。今後のプランについては明言していないが、コーチ資格の取得を勧めている英国サッカー協会(FA)に感謝を示し、指導者の道に進むことを示唆している。

 スウォンジー・シティ(Swansea City)のポール・クレメント(Paul Clement)監督が1月に接触したものの、獲得には至らなかったと明かしているように、チェルシーの歴代最多得点記録保持者であるランパードには、英国内外から選手としてプレーする「数々のオファー」が届いていたが、これを拒絶して現役生活に終止符を打った。

 38歳のランパードは自身のフェイスブック(Facebook)に、「21年間の素晴らしい年月を経て、今がプロサッカー選手としてのキャリアを終える最適なタイミングだと判断した」と投稿し、「これまでに獲得したトロフィーの数々、母国を代表して100試合以上出場したこと、キャリアを通じて300を超えるゴールを決めたことを本当に誇りに思う」と述べた。

 米メジャーリーグサッカー(MLS)のニューヨーク・シティFC(New York City FCNYCFC)を昨年秋に退団したランパードは、プレミアリーグではマンチェスター・シティ(Manchester City)やウェストハム(West Ham)でもプレーしたが、スタンフォード・ブリッジ(Stamford Bridge)で世界屈指のMFの地位を確立した。

 ブルーズ(Blues、チェルシーの愛称)で211得点を記録し、あらゆるタイトルを獲得したランパードは、2005年にはクラブにとって50年ぶりとなるリーグ優勝に貢献した。

 ランパードは「当然だが、私の心の大部分は、数々の素晴らしい思い出をくれたチェルシーで占められている。クラブが私に与えてくれたチャンスや、ともに戦って手にした成功を忘れることはないだろう」とコメントしている。

「サインを交わした日から今まではもちろん、これからもすべてのこと、すべての人に感謝し続けるだろう。チェルシーのファンは、私とチームメートにそれに値する信じられないサポートをしていくれた」

「彼らの情熱や渇望によって私は毎年ベストを尽くすことができた。彼らなしにはそれは成し遂げられなかっただろう」

■「チェルシー史上最高の選手」

 チェルシー黄金期の主軸だったランパードは、3度のリーグ優勝、4度のFAカップ(FA Cup)と2度のフットボールリーグカップ(England Football League Cup)制覇に加え、欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League)、ヨーロッパリーグ(UEFA Europa League)でもタイトル獲得に貢献した。

 ジョゼ・モウリーニョ(Jose Mourinho)監督の指導を受けて飛躍を遂げたランパードは、リーグ優勝した2005年に13得点の成績を残すと、連覇を果たした翌シーズンは16得点を記録。チェルシーで10季連続二桁得点をマークし、リーグ優勝した2009-10シーズンには自身最多の22得点を記録した。

 ランパードは2005年、バロンドール(Ballon d'Or)とFIFA最優秀選手賞(FIFA World Player of the Year)で、当時スペイン1部リーグのFCバルセロナ(FC Barcelona)に所属していたロナウジーニョ(Ronaldinho)に次ぐ2位に入っている。

 チャンピオンズリーグでは、2008年大会決勝でマンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)にPK戦の末敗れるなど、あと一歩のところでタイトルを逃し続けたランパードだったが、2011-12シーズンにようやく最高の栄誉をつかんでいる。(c)AFP/Steven GRIFFITHS