【2月1日 AFP】(更新、写真追加)潘基文(バン・キムン、Ban Ki-moon)前国連(UN)事務総長は1日、韓国大統領選に出馬しない意向を明らかにした。潘氏は昨年いっぱいで国連事務総長を退任し、先月韓国へと帰国していた。

 潘氏は今年行われる予定の大統領選に出馬するとみられていたが、複数の問題に足をすくわれた。記者会見で報道陣に対し「政治から身を引く」と表明し、「多くの国民を失望させて申し訳ない」と語った。

 潘氏は正式に出馬表明はしていなかったものの、公の場にたびたび姿を現し、与党セヌリ党(Saenuri Party)、もしくは同党から分裂した保守政党から大統領選に出馬すると広く予想されていた。

 しかし潘氏は、派閥色の強い韓国の政界で、政党からの支持獲得に難航するとともに、同氏の親族による汚職疑惑も報じられていた。また券売機に紙幣を2枚挿入しようとする姿を写真に撮られ、まるで韓国の実態を知らないような印象を与えたこともあった。

 潘氏は「私の純粋な愛国心と大志は、人格否定に近い中傷の犠牲になった」と述べて一礼した後、原稿をまとめて記者会見場を去った。

 同氏の支持率は、韓国に帰国した当初の20.3%から、出馬見送り宣言の直前には13.1%に急落していた。(c)AFP