【2月1日 AFP】ウクライナ東部では、政府軍と親ロシア派の武装勢力との間で続く戦闘が先月31日で3日目に突入し、戦場となった町では、電力供給が途絶え多くの地元住民が寒さで震える日々を過ごしている。

 親ロシア派の武装勢力は先月29日、政府側が掌握するアウディーフカ(Avdiivka)の奪還を目指し、奇襲攻撃を実施した。

 29日の戦闘以降、政府軍と武装勢力双方の兵士および市民、少なくとも計13人が死亡し、昨年12月23日に新しい停戦協定が結ばれて以来、最も激しい戦闘となっている。

 ウクライナのペトロ・ポロシェンコ(Petro Poroshenko)大統領は先月30日、情勢の緊迫化を受けてドイツの首都ベルリン(Berlin)訪問を切り上げ、ウクライナ国家安全保障国防会議(National Security and Defence Council)の緊急会合を開いた。

 ポロシェンコ大統領は、ドナルド・トランプ(Donald Trump)氏が米大統領に就任し、ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領を称賛していることで、内戦の激化につながるのではないかと懸念している。

 一方、ロシアのドミトリー・ペスコフ(Dmitry Peskov)大統領報道官は記者団に対し、ロシア政府は(今回の戦闘について)「非常に懸念している」としながらも、親ウクライナ派の戦闘員の一分子が最初に攻撃を仕掛けたとの「信頼できる情報」を持っていると述べた。(c)AFP