トランプ大統領、入国禁止令を擁護しないよう指示した司法省トップを解任
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【1月31日 AFP】(更新)ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領は30日、難民とイスラム圏7か国出身者の入国を禁止する大統領令を擁護しないよう米司法省の法律家に指示した同省のサリー・イエーツ(Sally Yates)長官代理を解任した。
米ホワイトハウス(White House)は「サリー・イエーツ長官代理は米国市民を保護するための法的命令の執行を拒否して司法省を裏切った」とする声明を発表した。「トランプ大統領はイエーツ氏の任を解き、ジェフ・セッションズ(Jeff Sessions)上院議員が上院の承認を受けるまでの司法長官代理にバージニア(Virginia)州東部地区のデイナ・ボエンテ(Dana Boente)連邦検事を指名した」
イエーツ氏は、バラク・オバマ(Barack Obama)前米大統領の政権で同省副長官を務め、トランプ政権が指名した新長官が連邦議会で承認されるまでの間、同省のトップを務めることになっていた。同氏は省内に配布した書簡で、今回の大統領令の合法性と倫理性に疑問があるとしていた。
国内メディアに広く伝えられた書簡の中でイエーツ氏は「私の責任は、司法省の立場が法的に正当であるようにすることに加え、あらゆる事実を考慮した上で法のあるべき姿についての最良の見識に基づくものであることを保証することだ」と述べた。
イエーツ氏はさらに「現時点では大統領令を擁護することがこうした責務と合致するとの確信も、大統領令が合法であるとの確信もない」としていた。
一方、新たに司法長官代理に指名されたボエンテ氏はイエーツ氏の解任から数時間後、大統領令を支持するとの声明を発表。司法省の法律顧問室は、大統領令は合法なもので、適切に作成されていると判断しているとして、司法省の職員に対して職務を遂行し、合法的な大統領令を擁護するよう指示した。 (c)AFP