【1月30日 AFP】フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ(Rodrigo Duterte)大統領は30日、自らが推し進める「麻薬撲滅戦争」を2022年の任期最終日まで延長する意向を明らかにした一方、取り締まりに当たる警察官の犯罪が相次いでいることについて、「芯まで腐っている」と批判した。

 ドゥテルテ氏は、麻薬撲滅戦争を隠れみのとして、警察官らが殺人や恐喝、強盗を働いたとして逮捕された一連のスキャンダルを受け、警察の「浄化」を行うと発表。記者団に対し「警察官が最も腐敗している。芯まで腐っている」と話し、国家警察本部内で韓国人実業家が殺害された事件の黒幕とされる麻薬対策特別班の警官らを非難。警察官全体の40%近くが違法な活動に関与していると話した。

 さらにドゥテルテ氏はこの日、今年3月まで延長させるとしていた麻薬撲滅戦争を、自身の任期中に終了させることはないとの意向を明らかにし、「任期最後の日まで、麻薬撲滅戦争を延長する」と述べた。

 フィリピンの警察当局は、ドゥテルテ氏の大統領就任以降、麻薬犯罪容疑者2500人以上を射殺したと報告している他、さらに4000人近くが麻薬撲滅戦争の下、死に至った経緯を明らかにされないまま亡くなっている。(c)AFP/Karl MALAKUNAS