【1月29日 AFP】イランのモハンマドジャバド・ザリフ(Mohammad Javad Zarif)外相は29日、イスラム教徒が多数派の7か国からの難民と旅行者の米国への入国を一時禁止するとしたドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領の決断は「イスラム過激派への偉大な贈り物だ」と皮肉った。

 トランプ大統領は27日、イスラム教徒が多数を占めるイラン、イラク、リビア、ソマリア、スーダン、シリア、イエメンからの難民と旅行者の入国を一時禁止しビザ(査証)発給を停止する大統領令に署名した。

 これについてザリフ外相はツイッター(Twitter)への投稿のなかで、ハッシュタグ「#MuslimBan(イスラム教徒の入国禁止)」を用いて「過激派とその支持者たちへの偉大な贈り物として歴史に記録されるだろう」と皮肉り、「集団的な差別はテロリストの勧誘活動を支援するものだ。深まる断絶を、支援者らを増やそうとする過激派の扇動家らに悪用されるだろう」と述べた。

 先にイラン外務省は対抗措置として米国人のイラン入国禁止を示唆する声明を発表したが、ザリフ外相は有効なビザを既に所持している米国人は対象外だと説明。「米国とは異なり、われわれの決定は過去にさかのぼるものではない。有効なイラン入国ビザの所有者は誰でも喜んで歓迎する」と述べた。

 イラン外務省は米国への渡航を計画しているイラン国民に対し、問題に直面することがないよう、出発前に「徹底的に確認」するようにとの渡航情報を発表している。(c)AFP