【1月29日 AFP】フランスのフランソワ・オランド(Francois Hollande)大統領は28日、ポルトガルのリスボン(Lisbon)で開かれた南欧の欧州連合(EU)加盟国の首脳会議で、欧州は一丸となってドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領に断固とした対応を取ろうと呼び掛けた。

 オランド大統領は参加国首脳が居並ぶ中、会議の終わりに「われわれは、すべての国々が直面している問題に独自のアプローチを示している米新政権と、断固とした態度で対話していかなければならない」と述べた。

 北大西洋条約機構(NATO)を「時代遅れ」と評したトランプ大統領は、今月27日にはテリーザ・メイ(Theresa May)英首相との会談では英国のEU離脱(ブレグジット)を「素晴らしいこと」と称賛したほか、難民の受け入れを少なくとも120日間停止し、国民の大半がイスラム教徒のイラン、イラク、リビア、ソマリア、スーダン、シリア、イエメンの出身者の入国規制を新たに強化する大統領令に署名した。

 さまざまな急進的な政策を打ち出すトランプ大統領は米国の伝統的な同盟国だった欧州諸国を混乱させている。

 オランド大統領は南欧諸国の首脳会議で「彼(トランプ大統領)が保護主義的な措置を採るならば欧州経済だけでなく、世界主要国の経済が不安定化する恐れがある」「欧州が義務を果たしているというのに彼(トランプ大統領)が難民の受け入れを拒むならば、われわれは対応しなければならない」と発言した。(c)AFP/Hervé ASQUIN/Brigitte HAGEMANN