ハムスター、ビタミン不足で自分の子を食い殺す 単一栽培に警鐘
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【1月28日 AFP】フランスで行われた実験でハムスターにトウモロコシだけを食べさせたところ、共食いで自分たちの子どもを食べてしまうほど凶暴になったとして、研究者らが警鐘を鳴らしている。
この研究は、クロハラハムスター(ヨーロッパハムスター) を対象に行われた。「英国王立協会紀要(Proceedings of the Royal Society B)」に先週発表された研究結果は、単一の作物だけを栽培する大規模な農業に問題があるとしている。
クロハラハムスターの専門家で、仏アルザス(Alsace)地方にある環境保護研究センター(Research Centre for Environmental Protection)の所長ジェラール・バウムガルト(Gerard Baumgart)氏は27日、AFPの取材で「ハムスターの生息環境が崩壊しつつある」と指摘した。
このハムスターはかつてさまざまな種類の穀類や植物の根、昆虫などを食べていたが、現在の餌は工業型農業で栽培された、花が咲いても種子ができない半不稔(ふねん)性のトウモロコシだ。研究者らは同じものだけを食べる単調な食事によってこのハムスターたちが飢餓状態に陥っていることをたまたま発見した。
問題はビタミン欠乏で、特にナイアシンとも呼ばれるビタミンB3の欠乏だった。
仏ストラスブール大学(University of Strasbourg)のマチルド・ティシエ(Mathilde Tissier)氏が率いる研究チームは、野生のハムスターの生殖に餌が与える影響を調査していた。