【1月28日 AFP】全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2017)は27日、男子シングルス準決勝が行われ、大会第9シードのラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)がおよそ5時間に及んだ第15シードのグリゴール・ディミトロフ(Grigor Dimitrov、ブルガリア)とのフルセットマッチを制し、偉大なライバルであるロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)と対戦する決勝に駒を進めた。

 通算14回の四大大会(グランドスラム)制覇を誇るナダルは、ロッド・レーバー・アリーナ(Rod Laver Arena)での4時間56分の戦いで、6-3、5-7、7-6(7-5)、6-7(4-7)、6-4という死闘の末にディミトロフを退けた。ともに一度ずつタイブレークを奪い合った壮大な一戦で両者は互いに譲ることなく、試合は翌日の午前1時近くにまで及んだ。

 ナダルは最終セットの第9ゲームで自身の戦う本領を発揮し、ディミトロフからブレークを奪った。高まる緊張感の中、ディミトロフはナダルのサービングフォーザマッチの場面で2度のマッチポイントを耐えたが、最終的に勝利を収めたナダルは、安堵(あんど)と喜びの中でコートに膝をついた。

 グランドスラム決勝で通算9回目となるフェデラーとの対戦を決めたナダルは、「またグランドスラム決勝でロジャーと対戦できるのは特別なこと。うそ偽りなく素晴らしいことだ。まだ僕らがそこに行けること、まだ大きな大会での戦えることは、僕にとっても、2人にとっても胸躍るものだ。僕らにとっては重要なことだと思う」と語った。

「しっかりと戦えるように備えたい。ホテルに戻ってしっかりと休んで、これから体力を回復しないとね」

 2009年大会の決勝でフェデラーを下しているナダルは、これで全豪では通算4度目、グランドスラムでは通算21回目となる決勝に進出している。グランドスラム決勝でのフェデラーとの戦績は、ナダルが6勝2敗でリードしている。

 大会トップシードのアンディ・マレー(Andy Murray、英国)とノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)が早期敗退する中、両選手はその機に乗じて、予想もされていなかった決勝に進んだ。フェデラーは26日に行われた準決勝で、こちらもフルセットの末にスタン・ワウリンカ(Stan Wawrinka、スイス)を下している。

 優勝を飾った2014年の全仏オープンテニス(French Open 2014)を最後にグランドスラムでスポットライトを浴びていなかったナダルは、29日の決勝で全豪2度目のタイトルを獲得すれば、オープン化以降では初となる四大大会各大会を2度ずつ優勝した選手となる。オープン化前を含めても、この記録を達成したのはこれまでに2人しかいない。(c)AFP/Robert SMITH