【1月27日 AFP】カリブ海(Caribbean Sea)の島国ハイチで、16歳の少女が集団レイプされている様子を撮影した動画がインターネット上で拡散し、女性に対する暴力が処罰されない現状に対する怒りが国内で巻き起こっている。

 警察は26日、事件に関与したとして16歳から44歳までの男12人の身柄を拘束。だが、実際に少女を暴行した男5人まだ捕まっておらず、今も行方を追っているという。

 少女は今月4日、首都ポルトープランス(Port-au-Prince)近郊のペチョンビル(Petionville)で被害に遭った。当初は被害を届け出なかったものの、加害者が撮影した3分間の動画が、今週ネット上で拡散したことを受け、被害届を提出した。

 現在、上院議員2人と現地の検察当局が、犯人逮捕につがなる情報に対して7500ドル(約86万円)相当の報奨金を出している一方で、この事件により、性暴力および加害者が処罰されないハイチの現状が浮き彫りになった。

 国連(UN)がハイチに展開する平和維持活動(PKO)の人権部門が発表した2012年の報告書は、レイプなど同国における女性に対する暴力は社会全体の問題だと指摘。また、翌年の報告書で国連は、ポルトープランスでは3か月間にレイプ事件の被害届が62件提出されたが、裁判にかけられたケースは一件もなかったと指摘している。(c)AFP