【1月25日 AFP】ポーランドの人々がフェイスブック(Facebook)で資金を集め、米俳優トム・ハンクス(Tom Hanks)さんに同国の共産主義時代を象徴する小型自動車「フィアット(Fiat)126p」をプレゼントするという。きっかけは、ハンクスさんがツイッター(Twitter)でフィアットへの「愛」を何度も投稿したことだった。

 ハンクスさんは昨年末に映画の撮影でハンガリーに滞在していた際、フィアットと一緒に写った写真を数枚ツイッターに上げて、「新しい車を手に入れた!」とキャプションをつけていた。一連のツイートはネットで拡散し、ポーランド人の目にも留まった。

 フィアット126pは、イタリアの自動車メーカー「フィアット」が1973年から2000年にかけてポーランドで製造したモデル。約300万台が造られ、ポーランド語で「小さな子」の愛称で親しまれている。車内は窮屈で見た目も味気ないが、そのコンパクトさは、ポーランドをはじめ共産主義体制下で物資が不足していた国々で重宝された。

 フィアットの工場があったポーランド南部のビエルスコビャワ(Bielsko-Biala)に住むモニカ・ヤスコルスカさん(42)はハンクスさんのツイートを見て、彼に126pをプレゼントすることを思いついた。「ポーランド人がどれだけこの車に愛着を持っているか」をハンクスさんに伝えたかったと、ヤスコルスカさんは言う。

 彼女はフェイスブックで寄付金を募り、2000ユーロ(約24万円)を集めて126pを購入。航空会社の厚意によって配送料無料で、ハンクスさんの住む米ロサンゼルス(Los Angeles)へ届けられるという。 (c)AFP