【1月25日 AFP】ドイツの中道左派、社会民主党(SPD)は24日、9月に行われる議会選挙の首相候補にマルティン・シュルツ(Martin Schulz)前欧州議会(European Parliament)議長(61)を擁立することを決めた。大連立を組む保守、キリスト教民主・社会同盟(CDU/CSU)のアンゲラ・メルケル(Angela Merkel)首相の対抗馬となる。

 SPDの党首を務めるジグマル・ガブリエル(Sigmar Gabriel)副首相が同日これに先立ち、党首を辞任すると電撃的に表明。シュルツ氏に党首ポストを譲ると明らかにしていた。

 ガブリエル氏は首都ベルリン(Berlin)で党の幹部会後に行った記者会見で、自らが首相候補として勝利する可能性は低いと認め、シュルツ氏の方が「(勝利する)可能性が高く、ふさわしい候補だ」と語った。突然の発表に記者団からも驚きの声が漏れた。

 欧州議会議長の5年の任期を先週終えたばかりのシュルツ氏も記者会見に同席し、指名を「誇りと謙虚さをもって」受諾したと述べた。

 シュルツ氏の首相候補への選出は29日の形式的な党内投票を経て正式に承認される。

 メルケル首相率いるCDU/CSUは政党支持率ではSPDを引き離しているが、最近の世論調査によると、知名度が抜群のシュルツ氏とメルケル首相の個人としての支持率は伯仲している。(c)AFP/Deborah COLE