【1月24日 AFP】ベルギーの首都ブリュッセル(Brussels)で23日、欧州連合(EU)本部で農相らの会談が行われるなか、欧州の酪農家らが乳製品の価格下落に抗議し、本部前で大量の粉ミルクをまき散らした。

 ベルギー、ドイツ、フランス、オランダ、リトアニアから参加した数十人の酪農家たちは、トラクターに積んだ強力な噴射機を使って、EUの政治レベルの最高協議機関である欧州理事会(European Council)の本部建物の前を真っ白く染め上げた。

 欧州理事会が価格維持のために買い上げていた粉ミルクを徐々に市場に戻す決定をしていたことに、酪農家らは激しく抗議していた。昨年11月にこの決定をしていた欧州委員会によると、市場に流通させる粉ミルクの量はEU内で1年以上にわたって備蓄された35万5000トンのうちの6%にあたる2万2150トン。

 欧州理事会は当初、買い上げた粉ミルクは何があっても市場に出さないと主張していたが、理事会の報道官によると「粉ミルク市場における価格回復の兆候」があったため、市場への流通を決定したという。

 酪農家らは一貫してEUによる粉ミルクの市場流通に反対している。(c)AFP