【1月24日 AFP】オランダ政府は、LGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー)の難民が、自らの権利や健康状態、身の安全に関する情報を簡単に調べることができる新しい携帯電話用アプリ「レインボー・レフュジーNL(Rainbow Refugees NL、虹色の難民NL)」の配信を開始した。

 イェット・ブッセマーカー(Jet Bussemaker)教育・文化・科学相は23日の声明で「例えばオランダでは(LGBTに対する)差別について苦情を申し立てることができることを、多くの難民は知らない」と述べた。

 米アップル(Apple)の「iTunes(アイチューンズ)」でダウンロードできるこのアプリでは、LGBTの難民の権利、オランダでの難民申請の方法、支援機関の案内、健康状態や身の安全に関する情報を、英語、フランス語、アラビア語、ペルシャ語で調べることが可能だ。

 このアプリは難民10人と、オランダのLGBT団体「COC」、難民受け入れなどを管轄する政府機関「オランダ中央難民機関(COA)」が共同開発した。COCはLGBTの難民が、性的虐待を含めた嫌がらせや差別を頻繁に受けていると報告している。

 オランダ議会は昨年3月、LGBTの難民向けの特別な避難施設を提供について可決した。LGBTの難民が殺しの脅迫を受ける、服を燃やされる、ベッドが排せつ物や腐った食べ物で汚されるなどの問題が発生していた。

 オランダは世界で初めて同性婚を合法化している。ブッセマーカー教育・文化・科学相は「ここ(オランダ)で罰せられるのは同性愛ではなく、差別だ」と述べた。(c)AFP