【1月24日 AFP】ポーランドでは子どもの養育費を支払わなかったために実刑判決を受けた数千人に、監視機能付きブレスレットを装着させる案の法制化が進んでいる。同国の法務副大臣が23日、明らかにした。

 愛国主義的な理念を掲げる右派政党「法と正義(PiS)」が率いる政権が作成した法案では、子どもの養育費を3か月間支払わなかった親は収監の対象となる。現行法では養育費を「いつまでも支払わない」者は最大2年間収監される可能性があるが、この「いつまでも」がどの程度の期間を指すのかに関する具体的な記述はなかった。

 ポーランド政府の記録によると養育費の支払いが遅れている国民は30万5000人おり、今回の法案が採択されれば、刑務所の収容可能人数を上回るかもしれないとの懸念が広がっている。

 ミハウ・ボイチク(Michal Wojcik)法務次官はポーランド国内のテレビ局に対し、監視機能付きのブレスレットにかかる費用は月に80ユーロ(約9600円)で、受刑者1人にかかる1か月当たりの費用よりも10倍経済的だと強調した。また不払い者が仕事をしているにもかかわらず、収入を隠している場合にも効果があるとしている。

 統計によると2016年には3700人が養育費を支払わずに収監されており、さらに量刑言い渡しが済み収監を待つ者が1600人いるという。養育費不払いの親のほとんどは父親だという。(c)AFP