【1月24日 AFP】イスラエル北部沿岸の地中海(Mediterranean Sea)で多くのサメが目撃されていることを受け、当局は23日、市民にサメに近づかないよう警告した。この海域は発電所に近く、海水温が高くなっている。

 全長が最大3メートルになることもあるメジロザメなど数十匹がハデラ(Hadera)発電所近くの沿岸に集まっている。この発電所はタービンを海水で冷却し、水温が上がった海水を再び海に放出している。

 サメと一緒に泳いで写真を撮るという究極のスリルを味わいたいダイバーたちの間で、こうしたサメの写真が話題となっている。

 しかしイスラエル自然・公園局(Israel Nature and Parks Authority)とイスラエル・ダイビング局(Israel Diving Authority)は、サメは保護対象になっており釣ったり餌を与えたりすることはできないと指摘し、人間とサメの両方の命を守るためサメに近づかないよう市民に注意を促した。

 イスラエル付近の地中海の海水が温かくなっている海域に出没するサメの数は過去10年で確実に増えているが、サメが集まる原因は専門家にも分かっていない。

 イスラエル自然・公園局によると、地中海に生息するサメの数自体は減少しているが、ここ数年イスラエル付近で目撃されるサメの数は増えている。ただここ数十年でイスラエル沖の地中海で人間がサメに襲われた事例は報告されていない。(c)AFP