【1月23日 AFP】西アフリカのガンビアで、昨年12月の大統領選の結果を受け入れて退陣・亡命したヤヤ・ジャメ(Yahya Jammeh)前大統領が、出国直前の数週間で約1100万ドル(12億5000万円)相当の政府資金を不正に持ち出したと、アダマ・バロウ(Adama Barrow)新大統領の側近が明らかにした。国庫は「ほぼ空」になっていたという。

 22年にわたる長期政権を維持したジャメ前大統領は21日、ガンビアを出国し亡命先の赤道ギニアに向かった。

 しかし、バロウ大統領の側近、マイ・ファティ(Mai Fatty)氏によると、ジャメ前大統領によって「ここ2週間に5億ダラシ(1100万ドル)以上の資金が引き出されていた」ことが発覚したという。

 バロウ大統領が現在も身を寄せている隣国セネガルの首都ダカール(Dakar)で記者会見したファティ氏は、「国はほぼ空だ」「政務を引き継いだ早々、ガンビア政府は財政難に陥っている」などと述べた。

 ジャメ前大統領の亡命先である赤道ギニアは、国際刑事裁判所(ICC)設立条約である「ローマ規程(Rome Statute)」に署名していない。このため、ジャメ前大統領が人道に対する罪など重罪に問われても身柄の引き渡しはないとみられる。(c)AFP/Jennifer O'MAHONY, Joe SINCLAIR and Carl DE SOUZA