ガンビアのジャメ前大統領が出国、亡命先は赤道ギニア
このニュースをシェア
【1月22日 AFP】西アフリカ・ガンビアのヤヤ・ジャメ(Yahya Jammeh)前大統領は21日、22年間の長期政権を維持した同国を出国し、亡命先の赤道ギニアに向かった。大統領選で勝利し、今月19日に隣国セネガルで就任宣誓したアダマ・バロウ(Adama Barrow)大統領に権限を譲ったことで、国内の政治危機は終息した。
ジャメ氏は昨年12月1日投票の大統領選での敗北を一度は認めたが、後に態度を変えて任期満了後も大統領職に居座ったため政情不安が数週間続き、他の西アフリカ5か国が派兵する事態に発展した。
ジャメ氏は首都バンジュール(Banjul)の空港で支持者らに手を振りながら、ギニアのアルファ・コンデ(Alpha Conde)大統領と共に小型の航空機に乗り込んだ。
西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)のマルセル・アラン・ドゥ・スザ(Marcel Alain de Souza)委員長がセネガルの首都ダカール(Dakar)で開いた記者会見で語ったところによると、ジャメ氏を乗せた航空機はギニアの首都コナクリ(Conakry)に着陸した後、亡命先となる赤道ギニアに向かって再び離陸したという。
ギニアはガンビア東部からあまり離れていないが赤道ギニアはガンビアから遠いため、亡命先を赤道ギニアとしたことはジャメ氏によるガンビア内政介入への懸念を和らげる一助となるだろう。
ECOWASはアフリカ連合(AU)、国連(UN)と共同宣言を出し、ジャメ氏とその家族の尊厳と身の安全、人権を侵害しかねない「法的措置」を一切取らない方針を明言した。ジャメ氏にガンビアへの帰国の自由を認め、ジャメ氏が「合法的」に所有する財産を没収することもないとしている。
ジャメ氏は出国前に国営テレビで、「バロウ大統領が直ちに帰国し、大統領、国家元首、軍最高司令官、ガンビア共和国の第一の市民としての責務を引き継ぐことを求める」との声明を読み上げた。セネガルに滞在中のバロウ氏は近く帰国する見通しだ。
ジャメ氏出国のニュースが伝わると、バンジュール近郊では住民らが道路に出て喜びをあらわにした。友人たちと一緒にいた28歳の女性は「私たちは自由になった。もう監獄にいるような生活ではない。もう自分の意見を言う時に後ろを振り返らなくてもいい」と語った。
国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(Human Rights Watch)の西アフリカ研究者ジム・ウォーミントン(Jim Wormington)氏は、ジャメ氏の出国は「法の支配と人権の尊重に立脚した時代を切り開くチャンス」だと述べた。(c)AFP/Jennifer O'Mahony and Emil Touray with Mouctar Ba in Conakry