インド脱線事故の死者39人に、情報当局は武装勢力の関与を否定
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【1月22日 AFP】(更新、写真追加)インド南東部で21日夜に発生した急行列車の脱線事故の死者は、23日未明までに39人になった。生存者の救助活動は難航している。
21日午後11時(日本時間22日午前2時30分)ごろ、アンドラプラデシュ(Andhra Pradesh)州ビジャヤナガラム(Vizianagram)のクネル(Kuneru)駅の近くで、ジャグダルプル(Jagdalpur)発ブバネシュワル(Bhubaneswar)行きの急行列車のうち客車8両と機関車1両が脱線した。脱線現場は、現場から一番近い都市ビシャカパトナム(Visakhapatnam)から160キロほど離れている。
インド国鉄の広報担当者は地元ニュース専門局NDTVに、脱線した客車には計約600人が乗っていたが、乗客の大半は脱線しなかった客車に移動して無事だったと語った。
インドでは2か月前にも北部のウッタルプラデシュ(Uttar Pradesh)州カンプール(Kanpur)で旅客列車の脱線事故が起き、146人が死亡した。先月もカンプール近くで脱線事故が起き、2人が死亡、数十人が負傷した。
インド政府は老朽化した鉄道網の改良のため多数の契約を民間企業と結んでいる。日本はインドの高速鉄道建設に120億ドル(約1兆4000億円)の長期低利貸し付けを行うことに同意しているが、計画はまだ初期段階にとどまっている。
■情報当局、毛沢東主義派の関与を否定
インド国鉄のアニル・サクセナ(Anil Saxena)氏は、事故の直前に現場を通過した2本の列車に異常は起きていなかったことから、当局はこの地域で活動している共産党毛沢東主義派(Maoist)の武装勢力によるサボタージュの可能性も含め、あらゆる角度から調査していると語った。
これに対し、急行列車が向かっていたオディシャ(Odisha)州の情報当局は、毛沢東主義派の武装勢力が関わったとの見方を否定している。
匿名の情報当局幹部はPTI通信(Press Trust of India)に対し「われわれは、今回の脱線事故に関し、毛沢東主義派の武装勢力が関わったとするいかなる可能性も否定する。クネルは毛沢東主義派から攻撃を受けている地域ではない」と述べた。(c)AFP/Annie BANERJI