【1月21日 AFP】トルコ国会(定数550)は21日未明、レジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領の権限を大幅に拡大する憲法改正案を承認した。今年4月に改憲の是非を問う国民投票が行われる見通しとなった。

 深夜に開かれた議会で、改憲案は賛成339、反対142で承認された。賛成票は憲法改正を最終承認する国民投票を行うために必要とされている全議員の5分の3に当たる330票を上回った。

 トルコは大統領が国家元首だが議院内閣制を採用しており首相の権限が強い。改憲案は現代トルコで初めて大統領に行政権を持たせる内容で、広範囲に影響を及ぼすとして論争を呼んでいた。

 改憲案では大統領が閣僚任免権を持ち、トルコ史上初めて首相が廃止される代わりに1人以上の副大統領が置かれる。憲法が改正されれば議会選と大統領選が同時に行われることとなり、改憲案は最初の選挙の投票日を2019年11月3日と定めている。

 大統領が非常事態を宣言できる条件も緩和されるほか、当初宣言できる非常事態の期間も現行の12週間から6か月に延長される。

 国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(Human Rights Watch)のトルコ代表、エマ・シンクレアウェブ(Emma Sinclair-Webb)氏はトルコの改憲案は米国やフランスなどの憲法と異なり、大統領の権力をチェックする機能がないと指摘。トルコ弁護士連合会のメチン・フェイジオール(Metin Feyzioglu)会長はトルコをオスマン帝国時代に引き戻すものだとして改憲案を厳しく批判している。(c)AFP/Raziye AKKOC