ロシア疑惑から北朝鮮問題まで、米新大統領を待ち受ける難題の数々
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【1月20日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)次期米大統領は、ロシアとの共謀疑惑や情報機関ならびにメディアとの対立、そして世界情勢が混沌(こんとん)とする中でホワイトハウス(White House)に入る。
大統領就任後のトランプ氏の前に立ちはだかる多くの壁の中でも、対応が最も急がれるのは国内の安定だ。しかし、選挙中に陣営のアドバイザーがロシアと共謀した疑いが浮上し、トランプ氏は既に議会の調査に直面している。
加えて、政権要職に親族を登用した縁故主義への批判や指名した閣僚候補の議会承認の問題、さらには医療保険制度の改革をめぐって共和党内の足並みがそろわないなど、次期大統領の先行きは暗くなるばかりだ。
世論調査会社ギャラップ(Gallup)によると、トランプ氏の支持率は44%。同社はクリントン政権時代から就任直前の大統領支持率を調査しているが、トランプ氏は歴代最低を記録した。現大統領のバラク・オバマ(Barack Obama)氏は83%だった。
トランプ氏の不人気を受けて、共和党の政治家らは新大統領と距離を置きたがることが予想される。選挙で再選を狙う議員や、穏健派が多い州の知事らが不人気の大統領を支持することは考えにくい。
事実、大統領選の共和党予備選でトランプ氏に敗れたマルコ・ルビオ(Marco Rubio)上院議員は、トランプ氏が国務長官に米石油大手エクソンモービル(ExxonMobil)のレックス・ティラーソン(Rex Tillerson)前最高経営責任者(CEO)を指名したことに反対する意向を既に示している。
その他にも、オバマ大統領が成立させた医療保険制度改革法(通称オバマケア、Obamacare)の撤廃をトランプ氏が目指していることについて難色を示す声も聞かれる。
そうしたなか、トランプ氏が助けを求めたのは、家族、軍人、富豪、共和党のエスタブリッシュメント(支配層)といった「異種混合メンバー」だ。この中に、ホワイトハウスでの政権運営の経験がある人はほとんどいない。さまざまな背景を持った人たちから出る意見は、ホワイトハウス内で建設的な議論をもたらすかもしれないが、権力をめぐる縄張り争いや内部分裂が起きる可能性もある。