【1月20日 AFP】全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2017)に出場しているヴィーナス・ウィリアムス(Venus Williams、米国)に対して、解説者のダグ・アドラー(Doug Adler)氏が「ゴリラ」という言葉を使用した問題で、米スポーツ専門チャンネルESPNは、同氏の発言を取り消した。アドラー氏は自身が使った言葉は「ゲリラ」だったと釈明しているが、ESPN側はもっと慎重になるべきだったとの見解を示し、同氏を担当から外している。

 18日に行われた女子シングルス2回戦で、試合の解説を担当した元テニス選手のアドラー氏は、「相手がファーストサーブをミスすれば、圧倒的にヴィーナスが有利だ。ヴィーナスの動きはまるでゴリラだ。襲撃に備えている」と発言。それを見た視聴者は、すぐさまソーシャルメディアで嫌悪感をあらわにしていた。

 テニス記者のベン・ローゼンバーグ(Ben Rothenberg)氏も「最低のコメントだ」と批判し、自身のツイッター(Twitter)に「2017年になっても、ウィリアムズ姉妹がそんなことを言われ続けるなんて、ぞっとする」と投稿した。

 四大大会(グランドスラム)で通算7度の優勝を誇るヴィーナスは、その試合でシュテファニー・フェーゲレ(Stefanie Voegele、スイス)に6-3、6-2で勝利し、3回戦に進出している。

 ESPNは声明を発表し、「ESPN3で中継されていた全豪オープンで、ダグ・アドラー氏はもっと慎重に言葉を選ぶべきでした。彼は謝罪し、担当する予定だった残りの試合からは外れることになりました」と述べた。

 その一方で、ESPNのウェブサイトでは「『ゴリラ』と『ゲリラ』は発音が似ているため、アドラー氏が話した言葉がどちらだったのか確認することは不可能だ」と伝えている。(c)AFP