リバティによるF1買収がさらに近づく、株主総会で計画が承認
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【1月18日 AFP】フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)買収を予定しているリバティメディア(Liberty Media)が17日、株主総会を開催し、買収計画にゴーサインが出た。同グループによるF1買収がまた一歩実現に近づいたことになる。
2016年9月に買収の意向を表明し、F1に80億ドル(約8150億円)の価値を付けたリバティの株主総会では、取引のために株式を新規発行する案に加え、「リバティ・フォーミュラ・ワン・グループ(Liberty Formula One Group)」の創設が承認された。国際自動車連盟(FIA)による承認はまだだが、同社は買収が今四半期中にも完了する予定だと話している。
世界最高峰のモータースポーツのブランドであるF1の将来については、ここ数年でさまざまな臆測が流れていたが、リバティメディアのジョン・マローン(John Malone)会長は昨年9月、F1の親会社にあたるCVCキャピタル・パートナーズ(CVC Capital Parners)の買収で合意が得られたと明かしていた。リバティはすでにCVCの株式18.7パーセントを取得している。
高額を稼ぎ出す世界的なスポーツを傘下に収めることで、リバティには多額の広告収入や放映権料が転がり込むと見込まれ、F1のブランドを活用したマーチャンダイジングも大きな利益をもたらすと予想されている。
その一方で、F1には資金繰りが悪化しているチームもあり、新世代のファンを取り込むために欠かせないソーシャルメディアや、デジタルメディアのプラットフォーム整備が遅れているとの指摘もある。
リバティは、長年にわたってF1の最高責任者を務めた86歳のバーニー・エクレストン(Bernie Ecclestone)氏が業界に残ると話す一方で、新会長に21世紀フォックス(21st Century Fox)の副会長を務めたチェイス・キャリー(Chase Carey)氏を招へいすると発表している。
キャリー氏は、21世紀フォックス会長のルパート・マードック(Rupert Murdoch)氏が引退し、世代交代が起こる中で同社を離れたものの、特に米国市場で、さまざまなスポーツ関連メディアを発展させてきた実績があり、スポーツをめぐる権利の活用や価値評価にも精通している。(c)AFP