【1月16日 AFP】保守的なイスラム教国のサウジアラビアで、同国の最高位聖職者が、映画館や音楽のコンサートを「堕落」した娯楽だと警告し、そうしたものが許されるならば、モラルを破壊することになるだろうと発言した。

 政府系ニュースサイトSABQが13日に伝えたところよると、大ムフティー(イスラム教指導者)で高位聖職者評議会の議長を務めるアブドルアジズ・シェイフ(Abdulaziz al-Sheikh)氏はテレビインタビューで、同国の娯楽庁がコンサートの認可や映画館開館についての調査を行うとの計画について質問を受けた際、「コンサートと映画館は堕落である」と語ったという。

 シェイフ氏は映画館が「我々の文化を変革しようとの意図で輸入された映画に頼りきり、不品行でわいせつな、そして反モラル的で不信心な映画を上映しかねない」と警鐘を鳴らした。

 また音楽コンサートも「良いことは何もない」と語り、娯楽音楽や映画館は「男女の混在を要求」することを意味するとの考えを示した。

 シェイフ氏は「初めは女性用のエリアを割り当てるだろうが、そのうち結局一つの場所で男女が入り交じってしまう」と述べ、モラルをおとしめ、価値観を破壊すると主張した。

 だが一方で、「文化や科学的なものを通じた娯楽は問題ない」と語り、当局に対し「邪悪なものへの扉を開けてはならない」とくぎを刺した。(c)AFP