「トランプ氏は発言に気を付けろ」 米CIA長官、対ロ認識も批判
このニュースをシェア
【1月16日 AFP】ジョン・ブレナン(John Brennan)米中央情報局(CIA)長官は15日、今週の退任を前に米FOXテレビの報道番組に出演し、ドナルド・トランプ(Donald Trump)次期大統領に対して発言に注意するよう警告するとともに、同氏がロシアの脅威を認識していないと厳しく批判した。トランプ氏は直後にツイッター(Twitter)で再び米情報機関を非難した。
20日に大統領に就任するトランプ氏は、ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領を褒めそやし、米ロ関係の修復に意欲を示してきた。一方で、超党派の上院情報特別委員会(Select Committee on Intelligence)は、ロシアが米大統領選に干渉したとされる問題について調査を開始した。
こうした中、ブレナン長官はニュース番組「フォックス・ニュース・サンデー(Fox News Sunday)」で、トランプ氏について「ロシアの能力や意図、行動を完全に理解しているとは考えられない」と鋭く批判した。
さらに「彼(トランプ氏)は数日後には米国政府のトップに就き、世界で最も影響力を持つ人物となる。自らの発言が影響を与えることを理解しなければならない」と警告。「国の安全保障のために、発言やツイートではなく実行の機会を与えられる。後先考えない言動では国の安全保障上の利益は守れない」とくぎを刺した。
トランプ氏はその数時間後、ツイッターで米情報機関側に反撃。ピュリツァー賞(Pulitzer Prize)受賞者のボブ・ウッドワード(Bob Woodward)氏が、ロシアの干渉に関する情報当局幹部の報告書に添付したとされるトランプ氏絡みの情報漏えい疑惑の概要書を「ごみ」と一蹴したことを引き合いに「ありがとう、ボブ・ウッドワード。情報機関の長官連中はここでも間違いをやらかした。謝るべきだ」と投稿した。
さらに「こいつが偽ニュースの漏えい者か?」とも書き込み、ブレナン長官自身が疑惑に関する情報を漏らした可能性すらあると示唆した。(c)AFP/Maggy DONALDSON