【1月15日 AFP】イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」は14日、同組織が包囲するシリアの都市デリゾール(Deir Ezzor)を攻撃し、同国政府軍兵士とIS戦闘員、民間人に合わせて少なくとも34人の死者が出た。

 在英NGO「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」によると、ISは同市で14日、数回の自爆攻撃やロケット、トンネル爆弾などで攻撃を行い、政府軍兵士少なくとも12人と民間人2人が死亡した。

 シリア人権監視団は、政府軍などがデリゾールに行った激しい空爆でIS戦闘員20人が死亡したと述べた。およそ20万人の人口を擁する同市は、2015年初頭よりISによる包囲攻撃を受けている。ISは過去にも近郊にある軍用空港を含むデリゾール全体の制圧を試みたことがあるという。

 同NGOのラミ・アブドル・ラフマン(Rami Abdel Rahman)代表は、ISによる14日の攻撃は過去1年余りで「最も激しい」攻撃だったと述べた。

 シリア軍当局者がAFPに語ったところによると、「ダーイシュ(Daesh、ISのアラビア語名の略称)はデリゾール攻撃に向けて戦力を集結させ、政府軍側の防御線を突破しようとしている」という。同当局者は、ISは軍用空港と同市内を結ぶ道路の寸断を試みたが、政府軍側が反撃して事なきを得たと述べた。(c)AFP/Layal Abou Rahal