ドイツ首都の高官、旧東独秘密警察に所属していた過去で免職
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【1月15日 AFP】ドイツの首都ベルリン(Berlin)州(特別市)のミヒャエル・ミュラー(Michael Mueller)市長は14日、過去に旧ドイツ民主共和国(東ドイツ)の秘密警察シュタージ(Stasi)に所属していたとして同州の高官が免職されたと発表した。
免職されたのはベルリン州の住宅行政を担当していたアンドレイ・ホルム(Andrej Holm)氏(45)。ホルム氏とシュタージのつながりは先月、ホルム氏が住宅行政担当職に就くやいなやベルリンの地元紙によって明らかにされた。
シュタージ幹部の息子だったホルム氏は14歳のときに自発的にシュタージに加わり、その4年後には幹部候補生として養成学校に入学。それから1989年のベルリンの壁(Berlin Wall)崩壊直前までシュタージで働いていた。
ホルム氏は旧東ドイツの政権与党だった社会主義統一党(SED、共産党)を前身とする「左派党(Die Linke)」に近く、ここ10年はベルリンの不法占拠運動をはじめとする地域改革運動に加わっていた。
ホルム氏はシュタージに所属していた過去を認め、ここ数週間にわたって謝罪してきたが、論争がやむことはなかった。
ドイツでは1990年の再統一以来、そのスパイ、情報提供者、刑務所のネットワークで40年間にわたる共産党支配を支えたシュタージとの関連を指摘された数多くの政治家や官僚が辞任に追い込まれている。(c)AFP