【1月14日 AFP】全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2017)で連覇を目指すノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)が14日、ボリス・ベッカー(Boris Becker)氏を再びコーチに迎える計画はないと明言し、同氏から練習不足を指摘されたことについてはコメントを避けた。

 アンディ・マレー(Andy Murray、英国)に世界ランク1位の座を明け渡しているジョコビッチは、全豪で歴代最多となる通算7度目のタイトル獲得を目指し、長年タッグを組んでいるマリアン・ヴァイダ(Marian Vajda)コーチ、新たに迎えたドゥサン・ベミッチ(Dusan Vemic)アシスタントコーチとともに、四大大会(グランドスラム)のシーズン初戦に挑む。

 3年間で数々のトロフィーを獲得してきたベッカー氏との師弟関係を昨年解消したジョコビッチは、「誰かを迎えることは考えていない。自分のコーチ陣は現状の通りだ」とコメント。

 練習量が減って昨季後半に調子が急降下したとするベッカー氏の指摘については、「僕らは素晴らしい成功を収めてきたということしか言えない。過去を振り返り、何かをコメントするようなことはしたくないんだ。ボリスとはずっと親しい友人関係を築いている。ただ、別の方向に進んだだけだ」と語った。

 昨季のジョコビッチは、全仏オープンテニス(French Open 2016)を制して以降、圧倒的な強さが急激に影を潜めていたが、先日のカタール・エクソンモービル・オープン(Qatar ExxonMobil Open 2017)決勝では、マレーと激闘を繰り広げるなど、鋭さを取り戻したパフォーマンスを披露し、第2シードとして迎える全豪では全盛期の姿を取り戻したいとしている。

「無敵な選手なんていない」と述べたジョコビッチは、「自信に満ちあふれて、数々の勝利を手にしていた時期でさえも、自分はコートで誰よりも優れている選手だなんて考えたことはない。だけど、コートで自信過剰になったときの気持ちは分かる。だからこそ、そういう状態にはなりたくないんだ」と語った。

「自分は今でも、ほかの選手と同じ立場にいると考えるようにしている。たとえ、自分は前回王者であろうとも、ほかの選手のようにこのトロフィーのために戦っていく」

■「試練を乗り越える」

 世界1位の奪還が優先課題ではないと語るジョコビッチは、グランドスラムで通算12勝を記録しており、ラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)に並ぶまであと2勝、通算17勝のロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)に追いつくまであと5勝に迫っている。

「結果として世界1位になれれば最高だ。もちろん、それを望んでいるけれど、それが自分の優先課題ではないと言っておこう」

 ジョコビッチは、全豪の1回戦でスペインのフェルナンド・ベルダスコ(Fernando Verdasco)と対戦することが決定。ベルダスコは前回大会の1回戦でナダルをフルセットの末に撃破しており、初戦の相手としては強敵となっている。

「まだ何の悪夢も見ていないのだから、悪夢のドローだとは言えない。ただ、大きな試練だと考えて、乗り越えられることを願っている」 (c)AFP/Talek HARRIS