【1月14日 AFP】カナダのジャスティン・トルドー(Justin Trudeau)首相は13日、同国西部アルバータ(Alberta)州のオイルサンド(油砂)からの原油生産を段階的に廃止し、炭化水素への依存をやめなければならないとの意向を示した。

 トルドー首相はこの日、市民との対話集会に出席。昨年11月にカナダ西部にある2つのパイプラインの原油輸送量の増加計画を認可する判断を下したことについての質問に「明日直ちにオイルサンド事業をやめるわけにはいかない。段階的に廃止する必要がある」「私たちはどうにかして化石燃料への依存から脱しなければならない」と述べた。

 カナダは世界第6位の産油国。パイプラインの改良によって、原油輸出能力は1日100万バレル近く増加する。

 環境活動家団体は、オイルサンドの開発は経済・環境面での負担が大きいとして激しく批判している。北方林の下層からの原油抽出は大量のエネルギーが必要な手間がかかる工程で、環境も汚染する。

 また、オイルサンドの原油は原油価格が高い時期にしか採算が合わず、英蘭石油大手ロイヤル・ダッチ・シェル(Royal Dutch Shell)とノルウェーの国営石油会社スタトイル(Statoil)は昨年、カナダのオイルサンドからの撤退を発表した。(c)AFP