【1月12日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)次期米大統領は、当選後初となった11日の記者会見でも、選挙戦でおなじみの光景となっていた好戦的で支配的な態度を貫いた。自らの成功を自慢し、冗談を飛ばし、自身が敵視するメディアを糾弾する手法だ。

 会見場では、同氏が特に面白いジョークを飛ばしたり、痛烈な批判を繰り出したりすると、少数の支持者から歓声や拍手が巻き起こった。

 トランプ氏がこの日再び使ったのは、「否定し、けむに巻く」という常套手段だ。

 ロシアが大統領選前に米国内の標的に対しサイバー攻撃を実施したことを初めて認めたかと思えば、すかさず選挙で対立候補だったヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)前国務長官に対する批判へと話をすり変えた。

 会見の序盤では礼儀を保ち、以前から批判の矛先を向けていたニューヨーク・タイムズ(New York Times)紙などのメディアについて、トランプ氏に不都合な情報をロシアが入手したとの未確認情報を記した文書に疑いの目を向けた報道姿勢を称賛した。

 一方で反発の姿勢も示し、この「虚偽」情報の流出を許した情報機関を「恥ずべき」と非難。「ナチス・ドイツ(Nazi)がやりそうなこと、やったようなことだ」と主張した。

 さらに、会見に出席したCNNテレビのホワイトハウス(White House)担当記者の質問を拒否。同記者を指さして「静かに」と命じると、「質問はさせない。君たちは虚偽ニュースだ」と言い放った。

 また、事実検証をしないまま文書の内容を公開したニュースサイト「バズフィード(BuzzFeed)」についても「できそこないのごみの山」と呼んだ。

 文書の内容自体については強気を貫いた。文書では、ロシアのホテルの一室で売春婦との性行為に及ぶ同氏を映した動画が存在すると記されていたが、トランプ氏は、外国のホテルで何者かにスパイされる可能性については十分承知しており、対策を取っていると主張。

「この話を本当に信じる人がいるのか? ちなみに、私は大変な潔癖症でもあるんだ。本当だよ」と語り、さらに会場の笑いを誘った。この発言は、動画に映されていたとされる特定の行為に言及したものとみられる。(c)AFP/Jennie MATTHEW