【1月11日 AFP】国際サッカー連盟(FIFA)は10日、2026年W杯から出場国数を48か国に拡大することを発表した。しかし、ジャンニ・インファンティーノ(Gianni Infantino)会長が勝利する形となった今回の決定には、多くの批判が集まっている。

 数々のスキャンダルに見舞われたFIFAの財源を豊かにするであろう動きをめぐっては賛否両論あったが、理事会は3か国16組によるグループリーグを実施する形式を全会一致で可決。インファンティーノ会長も、欠点なしに利益をもたらすだろうと口にしている。

 今回の変革に尽力してきたインファンティーノ会長は、「われわれは、21世紀のW杯をつくらなければならない…。サッカーは欧州と南米だけのものではない」としたうえで、「より多くの国が夢をつかむチャンスを得られる」と語った。

 出場枠の拡大は、24か国から現行の32か国になった1998年のフランス大会以来となるが、今回の動きは、FIFAの改革を推し進めるロビー団体「ニューFIFAナウ(New FIFA Now)」による「拝金」や「権力掌握」だとする批判的な声が多く集まった。

 11か月前にFIFAのトップに就任したインファンティーノ会長は、ジョセフ・ゼップ・ブラッター(Joseph Sepp Blatter)前会長の在職中に負ったダメージを修復するため、サッカーを世界中で発展させることを誓った。

 W杯の出場国数の拡大は、同会長が掲げるビジョンの中心的なものだったが、反対する立場からは、大会規模の拡張はプレーの質を下げるだけでなく、特に欧州リーグに所属する選手たちの負担を増大させるとの声が上がっている。

 現在のW杯モデルを「完璧な方式だ」と考える欧州クラブ協会(European Club AssociationECA)は声明で、「今回の決定は、多大な政治的重圧の下、競技的ではなくむしろ政治的理由に基づいてなされたと理解している。ECAとしては、悔やむべきものだと信じている」と反対する姿勢を繰り返し示した。

 一方、スペイン・プロサッカーリーグ機構(LFP)のハビエル・テバス(Javier Tebas)会長は、「FIFAとジャンニ・インファンティーノ会長は政治をしている」としたうえで、「(会長に)就任する過程で、彼はW杯の出場国数を増やすことを約束した。彼は自身の選挙公約に栄誉を授けたかった。しかし、プロサッカー界に対して行った約束は、実行していない」と嫌悪感をあらわにした。

「われわれの合意は得られていないし、非常に腹立たしい」 (c)AFP/Ben Simon