朴大統領の弾劾審理、セウォル号事故の「答弁書」に不満
このニュースをシェア
【1月10日 AFP】韓国の朴槿恵(パク・クネ、Park Geun-Hye)大統領の弾劾訴追案をめぐる審理を行っている憲法裁判所は10日、2014年に起きた旅客船セウォル(Sewol)号沈没事故当時の大統領の所在に関する説明が不十分だとして不満を表した。
朴大統領の弾劾訴追案を先月可決した際に議会は、セウォル号の事故当時、朴氏が国家元首としての公務を怠った可能性があることを弾劾事由の一つとして挙げていた。これを受け憲法裁判所は先月、大統領の弁護団に対し、朴氏の所在が明確でなかった「空白の7時間」について答弁書を提出するよう要請していた。
これまでメディアは事故当時の朴大統領の行動について、男性との密会や宗教儀式への参加から、美容整形手術を受けていたとの説までさまざまな憶測を流している。
大統領の弁護団は10日、事故当日の朝、朴氏は体調がすぐれなかったため青瓦台(大統領府)の執務室へは行かず、同じく大統領府にある居室にとどまっていたと説明。さらに電話や側近から事故に関する報告を受け、指示を出していたとする内容を時系列にまとめた文書を憲法裁に提出した。
しかし、憲法裁の裁判官の1人は、朴氏が沈没事故を初めて知ったのがいつどのような経緯だったのかが明確にされていないと弁護団に指摘。聯合(Yonhap)ニュースによると、この裁判官は「大統領側の答弁は期待に沿わないもので、不満が残る」と述べたという。また、国内ニュースで事件が報道されだしたのは当日の午前9時過ぎであり、その時に朴大統領がニュースを見ていたのかどうかを明確に回答すべきだとした。(c)AFP