【1月9日 AFP】エルサレム（Jerusalem）で8日、観光名所を訪れていたイスラエル兵の一団にパレスチナ人の男が運転するトラックが突っ込み、兵士4人が死亡、17人が負傷した。当局が明らかにした。警察はテロと断定。ベンヤミン・ネタニヤフ（Benjamin Netanyahu）首相は男についてイスラム過激派組織「イスラム国（IS）」の支持者との見方を示した。

　現場は「岩のドーム（Dome of the Rock）」などの聖地を見渡せる観光地。パレスチナ人の男はその場で射殺された。死亡した兵士4人は全員が20代で、うち3人は女性。

　インターネットに投稿された映像には、荷台にクレーンを積んだ平台トラックが、バスのそばに立つ兵士の一団に突っ込む様子が写っている。運転手はトラックを路肩に寄せた後、兵士たちをひいた場所に再びバックで戻った上で停車させている。

　現場に居合わせた観光ガイドは「トラックが道路脇に進入するのが見えました。すると兵士たちが撃ち始めて…。命令や叫び声があちこちから聞こえました。壁の後ろに隠れろと。次の攻撃の恐れがあったからです」と語った。

　警察の報道官は「単独のテロリスト」による犯行だと断定する一方、攻撃が事前に計画されていたのか、それとも突発的なものだったのかは現時点では不明だとしている。

　ネタニヤフ首相は男について「ISの支持者」と断じたが、その根拠は明らかにしていない。

　パレスチナ治安当局は、運転手の男は現場近くの東エルサレムのジャベル・ムカベル（Jabal al-Mukaber）地区出身で、20代後半だと発表した。パレスチナのメディアは容疑者の名前をファディ・カンバル（Fadi Al-Qanbar）と伝えている。(c)AFP/Laurent Lozano